虎年の獅子座 日記帳
Tora-Doshi'no Shishiza's Diary
インターネット証券取引の可能性:米国2社の決算を見て・・・
執筆日 : 1998/07/25
| 先日、米国でインターネット経由の証券取引を専門とする証券会社(E*TradeとAmeriTrade)の四半期決算が発表されました。内容はものすごい好決算で、現在に至っても急激な成長を遂げている事が実証されました。これまでも、証券業協会などからこれらの会社についての調査レポートがいくつか発表されていますが、今回はE*TradeとAmeriTradeの決算内容から、インターネット証券取引の可能性と、日本の証券業界に与える影響などについて考えてみたいと思います。 |
● 先日、ロイターのニュース(英語版)にE*TradeとAmeriTradeの第3四半期決算が載っていました。両社ともに2桁成長で、E*Tradeは利益が116%増、AmeriTradeは28%増というすごい成績。
● 両社ともに、インターネット経由の証券取引を専門にするディスカウント・ブローカーで、その手数料率は、米国におけるフルサービス証券会社の代表格メリルリンチの約20分の1にもなるという強烈な安さを誇っています(下図参照)。口座数なども急激な増加を続けているようで、米国でのオンライン取引口座数は既に300万口座を突破したと推計されています。最近、ソフトバンク(9984)がE*Tradeに出資した事は記憶に新しいと思います。
| 証券会社/サービス名 | 手数料($) | 日本円換算 |
| オンライン取引 | ||
| E*Trade | $14.95 | \ 2,093 |
| AmeriTrade | $8.00 | \ 1,120 |
| e.Schwab | $29.95 | \ 4,193 |
| Fidelity | $28.95 | \ 4,053 |
| DLIDirect | $20.00 | \ 2,800 |
| DATEKONLINE | $9.99 | \ 1,398 |
| ディスカウント・ブローカー | ||
| Schwab | $117.36 | \ 16,430 |
| Fidelity | $101.56 | \ 14,218 |
| フル・サービス | ||
| Merrill Lynch | $319.00 | \ 44,660 |
| 日本の証券会社 | ||
| 全社(固定料率) | $153.75 | \ 21,525 |
* 例として約200万円分の売買代金取引で計算。
* $1=140円で換算。
* 日本の証券会社の手数料率は証券会社に係わらず固定料率。
* 金融ビジネス誌6月号記事から抜粋。
● E*TradeとAmeriTradeについて、口座数なども拾ってみましょう。E*Tradeは今四半期で5万6000口座増やしてトータルで45万9000口座に。一方で、AmeriTradeは四半期で5万口座増加してトータル26万7000口座。四半期というとわずか3ヶ月。これだけでたった2社で10万口座以上の新規口座は馬鹿に出来ない数字となりつつあります。
● さらにもう少し数字を拾ってみると、AmeriTradeの場合、広告代に使った費用は1口座あたり$92で、1口座あたりの費用はトータルで$220(業界平均は$250)とのこと。日本での平均がどうなっているのか比較対象の数字がないので分かりませんが、かなり低いのではないかと思います。乱暴な計算にはなりますが、日本の証券会社の場合でも、営業マン1人の給料としてのコストだけでも最低でも月間50〜100万円はかかると思います。これは四半期では150〜300万円になります。米ドル換算では$10,714〜$21,428 ($1=140円) 。当然、上記の"1口座あたりの費用"には、それ以外の費用も含まれるので、かなりの数字ということが出来ると思います。
● 続けてもう少しロイターの記事からの数字。E*Tradeは1日平均29,155取引を執行し、AmeriTradeは1日平均で21,412取引を執行。AmeriTradeの顧客は、四半期で平均5.6回の取引を実施したとのこと。マーケットの違いを考慮しても、四半期で5.6回の取引をしてくれる顧客というのは、現在の日本の証券会社では多くないと思います。それを営業マンなしで達成しているということは、一目置く必要があるように感じます。
● いずれにしろ、現在の日本の証券会社主流の営業スタイルの営業マンを貼り付けるやり方とは、相当違った姿が見えてきます。日本でも、今年末から色々な規制が一気に撤廃される予定です。市場集中義務も撤廃されますし、何よりも委託手数料率が撤廃されます。現在でも、今川証券や松井証券などはインターネット経由取引に積極的に取り組んでいる様です。営業マンを使わずに営業する。そういった証券会社の一つの進みかたが、今回のE*TradeとAmeriTradeの決算内容から見えてくるような気がしてなりません。
● 今の日本の証券会社の営業マンは、今後、外部環境の変化に適応して進化できないと、恐竜と同じ道筋を歩むのでしょう。自戒を込めて自分の将来を考えている次第です(^_^;)。
関連サイトリンク・・・・ E*Trade, AmeriTrade
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